私が高校卒業までの18年間を過ごした岐阜県多治見市と、現在30年以上住んでいる東京都中野区。
田舎暮らしVS都会暮らしといった比較になりそうですが、多治見市は岐阜県の中でも第4位の人口を誇り、名古屋からも通勤圏内。田舎の中では比較的都会に近い感覚があります。
中野区に関しては、東京23区の中では華やかさや高級感こそ控えめですが、独自のカルチャーと暮らしやすさを両立した、個性豊かな中堅エリアと言えます。
どちらの街も、私の人生を語る上で欠かせない存在であり、それぞれに違った良さがあります。
名古屋駅からJR中央本線で多治見駅までは約40分。通勤列車として多くの人が利用していますが、途中には定光寺や古虎渓といった無人駅もあり、そこからトンネルを抜けると多治見駅に到着します。山を切り開いて線路を通したため、紅葉の時期には隣に流れる土岐川との調和が美しく、絶景が広がります。
駅周辺にはスーパーやコンビニ、飲食店のほか、昔ながらの商店街もあり、生活に必要なものは揃っています。ただし、移動には基本的に車が必要で、交通手段は限られています。
自然が豊かで、山や川、田んぼが広がり、大きな建物が少ない分、空が広く感じられます。空気もおいしく、深呼吸したくなるような風景が広がっています。
先祖代々その地に住んでいる人が多く、初めて会う人でも会話をすると親戚や知り合いとつながっていることがよくあります。街全体の雰囲気はのんびりとしていて、時間の流れがゆったりしています。
一方の中野区は、新宿から電車でわずか1駅という利便性の高さにも関わらず、ギラギラした都会的な印象はあまりなく、どこか親しみやすさのある街です。中野ブロードウェイを中心に、アニメ・マンガ・コスプレといった日本独自のサブカルチャーが色濃く根付いており、マニアックな文化が日常の風景として溶け込んでいます。
近年は再開発も進み、街並みも少しずつ変化していますが、私は中野の持つ昭和的な雰囲気が大好きです。こぢんまりとした昔ながらの商店や喫茶店も健在で、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
東海地方出身の私は、スタバよりも断然「純喫茶」派。中野には今もそのようなお店が数多く残っていて、休日のひとときにぴったりの場所になっています。
1人暮らし用の住まいにかかる家賃については、多治見では3.5〜5万円前後、中野では7〜10万円前後が相場。やはり東京は家賃が高く、同じような広さ・条件で比べると倍近くになることも珍しくありません。
とはいえ最近は、多治見駅前にもタワーマンションが建設され、1LDKで家賃15万円という物件も登場しています。ちょうど中野駅前にも似たようなタワーマンションが建っており、こちらも1LDKで17万円前後。面積は中野の方がやや狭いものの、予想以上に家賃に差がないことに驚きました。
物価や家賃の違いはあっても、どちらの街も「暮らす人の個性」を受け止めてくれる懐の深さがあるように思います。
自然の中でのびのび育った多治見と、多様な人々が行き交う中野。全く異なる環境だけれど、どちらも私にとっては大切な「ふるさと」のような場所です。
これからも、どちらの街の良さも胸に抱きながら、自分らしい暮らしを続けていけたらと思います。
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