夫婦別姓をめぐる議論と、ジョイアロンの考え

私は今までもこれからも結婚する予定がないので、夫婦別姓の議論は直接自分には関係のない話題です。

しかし、これだけテレビやネットで騒がれていると、嫌でも目に入ってきます。

そして、その議論の激しさには驚かされます。

賛成派と反対派の意見は、単なる議論を超えてののしり合いに発展することもあります。

同じ日本人でありながら、これほどまでに意見が分かれるものなのかと考えさせられます。

年代や性別、思想によっても意見は大きく異なり、身近な人たちの間でもさまざまな意見が飛び交っています。

既婚の友人の話ですが、彼女が夫に冗談で「私が旧姓に戻すと言ったらどうする？」と聞いたところ、「子供たちは置いて自分だけ出ていってくれ」と言われたそうです。

ただ話題に乗って聞いてみただけなのに、このような強い反応が返ってくることに驚いたと言います。

夫にとって、妻が自分と同じ姓を名乗らないということは、断じて許せないことだったのでしょう。

一方で、その友人自身は「選択肢が増えるのはいいことだけど、わざわざ変える必要はないのでは？」と特に賛成しているわけでもないようです。

職場でも旧姓使用が可能であり、不便を感じることが少ないため、現状維持で問題ないという考えなのでしょう。

しかし、「もし息子が結婚して相手の姓を名乗ると言ったらどう思う？」と聞くと、「それはちょっと…」と戸惑いを見せていました。

まだ子供世代のことまで考えが及ばないのかもしれません。

専業主婦の友人からは、また違った意見を聞きました。

「選べるようになると、仕事を持つ女性は結婚後も旧姓のままでバリバリ働き、さらにキャリアアップするだろう。そうなると、夫の姓を名乗る専業主婦が肩身の狭い思いをするのではないか」と感じているそうです。

この意見には、独身の私には思い至らなかった視点が含まれています。

専業主婦は夫の姓を名乗るのが当然なのか、もし選択制夫婦別姓が実現すれば別姓の専業主婦も出てくるのではないか？

また、同じ主婦でも仕事を持つかどうかでヒエラルキーが生まれるのか？

このあたりの問題には、深く踏み込むと複雑な議論が必要になりそうです。

これから結婚しようとしている若い世代の意見は、比較的賛成の声が多いように感じます。

旧姓を使用しないと仕事上の不利益を被ることや、書類手続きが煩雑で不便になることが大きな理由の一つですが、それ以上にアイデンティティの問題が重要視されているようです。

私と同年代（50代）の主婦たちの中には、「結婚したら夫の姓にするのが当然」と考える人が多いですが、若い世代の女性たちはその価値観に強く反発しています。

彼女たちは男女平等の精神が根付いた社会で育っており、「なぜ結婚したら夫の姓を名乗らなければならないのか？」という根本的な疑問を持っています。

「夫と同じ姓になるのが当然だろう？」という意識の世代とは、意見が分かれるのも無理はありません。

私は、これから結婚する人たちがどうしたいのかが重要だと考えます。

夫婦別姓を望む人がいるのであれば、選択できるように法制化することに何の問題もありません。

選択肢が増えることは、多様な価値観を尊重する上で自然な流れです。

「家族内で姓が別々になると家族が崩壊する」という意見もありますが、その根拠は不明確です。

そもそも家族の崩壊とは何を指すのでしょうか？仮に両親の姓が違うことで家族がうまくいかなくなったとしても、それはその家族が選択した結果であり、その責任は個々の家庭にあると考えます。

他人がとやかく口を出すことではありません。

価値観は時代とともに変わっていくものです。

今は意見が分かれていても、将来的にはどちらの意見も当然に尊重できる社会になったらいいなと思います。