──「あと何回、こんな夜を楽しめるだろう?」
先週の金曜日、10年来応援しているロックバンドのライブに行ってきました。
場所は下北沢の小さなライブハウス。
そのバンドのジャンルはラウドロックともミクスチャーロックとも言えるような、激しさの中にメロディアスな美しさがあるサウンドです。
私にとっては「お気に入りの大好きなバンド」です。
ここ最近は、更年期の影響か、膝や足の痛みがひどくなってきました。
特に立ちっぱなしは年々つらく、正直ライブに行くのもためらうほど。
でも、「次に観られるチャンスがいつ来るか分からない」と思うと、迷ってなんかいられませんでした。
仕事帰りで体はクタクタ。でも「行こう」と決めて、思い切ってライブ会場へ向かいました。
そのライブハウスの収容人数は200人ほど。今まで行った中でもかなり小さめで、アーティストとの距離感にワクワクが止まりません。
開始直後にホールへ入ったら、すでにほぼ満員。当日チケットを買えて本当にラッキーでした。
観客は若い人ばかりかも…と少し構えていたのですが、前方には白髪まじりの男性や、私と同年代らしき女性の姿もちらほら。そんな光景に、ちょっと安心した気持ちになりました。
私は、前の方で盛り上がるよりも、後ろからじっくり観るタイプ。
後方とはいえ小さな会場なので、バンドメンバーの表情までしっかり見えます。
「ああ、やっぱり来てよかったな」と思った矢先、思わぬトラブルが発生しました。
ライブが始まって30分ほど経ったころ、ふくらはぎにピキッと違和感。
そのまま一気に激痛へ。足裏を抱えるようにして、地面に立っていられなくなりました。
こむら返りです。このまま退場かも…と焦ったそのとき、バッグの中にいつも持ち歩いている漢方薬「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」の存在を思い出しました。
人混みをかき分けて、なんとかドリンクカウンターへ。入場時にもらったチケットで水をもらい、その場で薬を服用。
背中に冷や汗をかきながらしばらく座っていると、驚くほどスッと痛みが引いていきました。芍薬甘草湯は、筋肉の緊張やけいれんを和らげる作用があり、足がつりやすい人の心強い味方。本当に持っていてよかったです!
それからは、無理せず後ろで静かに体を揺らしながらライブを楽しみました。
飛び跳ねたりはできなくても、好きな曲が次々に演奏され、会場の熱気と音の渦に包まれているうちに、じんわりと心が満たされていきました。
「あと何回、こうしてライブに来られるだろう?」と少し切なくなりながらも、「もっと体力をつけて、まだまだ通い続けたい」と思った55歳の夜。
加齢、更年期、体の不調──いろいろあるけれど、好きなことは諦めず、できる範囲で楽しんでいきたい。
次のライブに向けて、また新しい目標ができました。
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