うまい話など無い(その2)

お金について

株のデイトレードで失敗した話

30代に入って、100万円ほど貯金が出来た私は、これを元手に株のデイトレードを始めることにしました。
2000年代初頭にかけてインターネットの普及によりオンライン証券会社が複数登場し、また個人投資家の取引コストが大幅に低下しました。
その結果、2003年から2006年頃にかけては、個人投資家によるデイトレードが急速に広がった時期でした。
巷には個人投資家向けセミナーやイベント、
『主婦でも簡単。はじめてのデイトレード』『忙しいサラリーマンでもできる!はじめての株式投資』など、普通の人でも気軽に参加して利益を出せそうな、期待を抱かせるタイトルの書籍が溢れていました。
私もそのような本を読んだり、ネット上の情報から専門用語等を学び、企業情報の分析、基本的なチャートを読めるまで知識の向上に務めました。
最初に買った株が翌日に値上がりして利益が1万円ほど出たときは、「1日で1万円の利益だと30日で30万円。会社辞めちゃってもいいのではないか?」などと浮かれていたのですが、そんな日々は数日で終わることになります。
自分ではチャートや景気を分析して売買しているつもりなのですが、安定的に利益は出せませんでした。
考えに考えて購入した株は下がり、なんとなく購入した株が上がっているのを目の当たりにすると、
「変にチャート分析するより直感で売買した方が上手くいくのでは?」
などとギャンブルに近い考え方になっていきました。
そもそも、大規模な資金を運用する法人などの機関投資家や、デイトレードを主な職業として生活しているプロのトレーダーがしのぎを削っている中に、ちょっと本読んで勉強したくらいの個人がのこのこ参戦したからといって簡単に稼げるものではないのです。
当然の結果ではありますが、元手の100万円は1年後には1万円に減りました。もう使い切って0円でいいんですけど、変にまた希望を持つのを避けるため、1万円だけ引き出して口座は解約しました。
コツコツ貯めた100万円をほとんど溶かしてしまい、泣くに泣けない状態でしたが、常に株価の変動に心乱される日々が終わってほっとした気持でもありました。
現在もデイトレード、FX、仮想通貨、レバレッジ取引など、非常にリスクが高く、詐欺の可能性もあるような儲け話に接することがあると思います。
初めて聞くような新しいキーワードに、ついつい希望を見出したくなる気持ちは解りますが、私も含めた普通の人は安易に近づいてはいけません。
特に40代以降のそこそこ貯えのあるミドルエイジは絶好のカモです。絶対に近づいてはいけません。

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